2019年4月入学者を対象とした一般入試では、人気が下がり気味だった女子大の出願状況が好調だった。その背景には、大規模私立大に対して入学者を定員どおりにするように求める「定員厳格化政策」の影響が大きい。このことにより、多くの大学が合格者を減らし、志願倍率が上がって合格ラインが上がっている。
女子大の志願者は増えている
一般的に女子の現役志向は強い。確実に大学に合格するための選択肢を増やす観点から、女子大への志願者が増えたのだ。
有名女子大の志願者数の状況を見ると、首都圏では、大妻女子大学や学習院女子大学、共立女子大学、昭和女子大学、津田塾大学、日本女子大学、フェリス女学院大学などが前年を上回った。中部圏では金城学院大学や椙山女学園大学などが、近畿圏では京都女子大学、同志社女子大学、甲南女子大学、神戸女学院大学などが上回っている。
女子大が女子受験生の受け皿になった理由として、就職状況も考えられるだろう。女子大の実就職率はつねに大学全体の平均を上回っている。大学通信が医学部と歯学部の単科大学を除く全大学を対象として行っている就職状況調査によると、2019年3月卒の学生の平均実就職率は、大学全体の88.9%に対し女子大は91.7%だった。
同程度の難易度の総合大学と比べて就職力が高い大学が多く、女子大実就職率ランキングを見ると、実就職率が90%を超える大学は2018年卒の37大学から2019年卒は45大学に増えている。
では、実際に実就職率が高い女子大はどこなのか。ベスト3は卒業生300人以下の小規模大学が占めた。就職支援が行き渡る少人数のメリットを享受した結果だが、理由はそれだけではない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら