公務員の就職に強い大学はどこか。
各大学が公表している就職実績から、今年(2018年3月卒業生)の公務員就職者数を調査し、その人数が多い大学の順に並べた。公務員の数が判別できない大学を除き、作成したのが、「公務員の就職に強い大学ランキング」だ。
あわせて「公務員実就職率」も併記した。これは、「公務員就職者数」を「卒業生数から大学院進学者数を引いた数」で割った割合だ。さらに国家公務員と地方公務員の内訳も入れ、国家公務員を多く輩出する大学なのか、地方公務員を多く輩出する大学なのかも明らかにしている。なお公務員には、病院、非常勤講師、教員なども含んでいる。
トップは日本大学の975人で、2位以下に大差をつけている。特に地方公務員856人と断トツの就職者数になった。そもそも学生数が多い大学ではあるものの、公務員に強い大学と言えるだろう。警察官171人、高等学校教員(国立、私立も含むすべて)は128人で、いずれもトップだ。
2位は国立大トップの北海道教育大学の620人だ。地方公務員のほとんどが教員。小学校教員はトップの291人、中学校教員108人など、462人が教員になっている。公務員実就職率を見ると、56.7%という高い数字である。2人に1人以上が公務員になっている計算だ。キャンパスは北海道に広く設置され、札幌校、旭川校、釧路校、函館校、岩見沢校がある。このうち教員養成課程は、札幌、旭川、釧路に設けられている。
上位でも「国家に強い」「地方に強い」の差がある
3位の広島大学は615人で、2位との差はわずか5人。やはり教員就職者が多い。師範学校から出発しているだけに、その伝統は今も受け継がれているのだろう。
4位の早稲田大学は、国家公務員就職者が134人だ。内訳は総合職が38人、一般職が49人、専門職24人。国家公務員試験は2012年度から、かつてのキャリア官僚を目指す国家公務員Ⅰ種試験が総合職試験に替わり、Ⅱ種試験が一般職試験に替わった。地方公務員は東京都職員Ⅰ類が89人と、企業を含めた大学の就職先トップで、特別区(東京23区)職員が48人だった。教員も185人と多いのが特徴だ。
5位は中央大学。国家公務員156人、地方公務員440人だ。国家公務員の内訳では、総合職11人、一般職80人、専門職54人。国税庁に37人、国土交通省に17人が就職している。地方公務員では東京都庁40人、神奈川県庁22人、横浜市役所20人など。「法科の中央」と呼ばれるが、法曹だけでなく、公務員でも強さを発揮している。
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