10月27日の配信記事「寄付金収入が多い私立大学157校ランキング」では、私立の学校法人の寄付金の金額について取り上げ、大きな反響を受けた。では国立大学の寄付金の実態はどうなっているのか。
国立大学では、政府から拠出される運営費交付金が年々削減されており、外部資金の獲得は重要な課題となっている。受託研究や受託事業などの収益もあるが、やはり寄付金は大きな収益の柱だといえるだろう。
今回、全86国立大学法人の最新の決算書に記載されている、寄付金の受入額を抽出。金額の多い順に並べたのが、「寄付金が多い国立大学ランキング」だ。
国立大学法人の決算書では、1年間に受け入れた寄付金の総額と件数が財務諸表の「附属明細書」の中に記載されており、その額を表記した。金額には証券や機械などの現物寄付も含まれており、さらに大学が設置する基金への寄付金も中に含まれている。
なお、国立大学法人の場合、寄付金収益という科目で損益計算書上にも記載されているが、これは使途目的が決まった時点で計上される科目のために、実際に受け入れた金額とは異なる点に注意をしてほしい。また国立大学では「寄附」と表記するが、ここでは「寄付」で統一した。
法人からの寄付が大半、1位は東京大学
1位は東京大学だ。2017年度の年間受入額は132億4200万円、件数も8902件に達する。寄付金は2004年に国立大学法人へ移行してから増加しており、ここ数年は年によってバラつきはあるものの、おおむね横ばい傾向にあるといえるだろう。
多くは法人からの寄付である。文部科学の資料によると、国立大学全体で毎年700億円前後の寄付が寄せられている。個人の寄付が120億円から340億円程度なので、圧倒的に法人からの寄付が多い。研究を支援することによって、あらたな技術や製品を生み出すことができるため、企業にとっても寄付を行うメリットがあると思われる。
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