大学を目指す受験生が国による”定員厳格化”の影響を大きく受けている。
定員厳格化とは、都市部などの大規模な私立大学に学生が集中していることを是正し、定員管理を徹底させる措置だ。地方創生の一環として、地方大学への誘導をもくろんでいたものの、行きたい大学がより狭き門となったことで、浪人をする子が再びジワリと増えているという。
私立大学側も定員を調整するために、「補欠合格」を多く出す例が相次いでいる。3月末までに別の大学に進路を決めて入学金の払い込みも済ませたのに、第一希望の大学から合格通知が舞い込んで来たというケースもあるという。
もし、定員を守らずに増やした場合、私立大学側にどのようなペナルティがあるのか? それは補助金(私学助成金)の減額もしくは不交付だ。つまり、大学にとっては補助金を減らさないようにするため、合格者をコントロールし、定員通りの入学者・学生数にしているのだ。
では、その補助金の額は、いったいどの程度のものなのか――。そこで今回、2016年度(2017年3月期)の決算数字を基に、「補助金が多い私立大学法人ランキング」を作成した。その額と、総収入に対する割合などを見ながら、大学における補助金の重要度を見ていきたい。
定員超過は「補助金カット」につながる!
大学の決算で損益について報告しているのが、「事業活動収支計算書」だ。その中で補助金は、教育活動収入に計上される「経常費等補助金」と、特別収入に計上される「施設設備補助金」とに分類される。施設設備補助金は、校舎建設にともなう利子補給など、施設設備拡充が目的なのが明確である場合に計上されるが、それ以外は経常費等補助金に計上される。基本的に補助金の大半は経常費等補助金で、今回のランキングでは、その数字を使って算出している。
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