私立大学の収入の柱は、学生が支払う入学金や授業料といった学費である。だが少子化が進む中、定員割れの状態になると、財政基盤が一気に揺らぐ。また大規模大学を中心に、入学定員の厳格化が文部科学省の政策として進められており、学生数の減少=減収要因となっている。国や自治体からの補助金なども得ているが、当然、それだけでは賄いきれない。
こうした中、各大学は、外部資金の獲得に注力している。外部資金とは、研究受託などの事業収入や、資産運用による収入などが挙げられるが、大きいのが「寄付金」だ。
質の高い教育を実現するために、卒業生や在学生の保護者、大学関係者、企業などから寄付金を募っている。では各大学の寄付金の額はどの程度になっているのか? それを把握するために作成したのが、「寄付金が多い私立大学ランキング」だ。
寄付金の実績は、大学のホームページなどで開示されていることが多いが、今回は横並びで比較ができる財務諸表から、その金額を調べた。財務諸表の中で、寄付金の金額は、事業活動収支計算書と資金収支計算書に記載されている。事業活動収支計算書の場合、「教育目的」の寄付金と「施設整備」のための寄付金にわかれ、施設整備の寄付金は特別収入の部に入るので、公開データだけでは金額を読み取れない大学も少なくない。
寄付金は大学にとって重要な収益源
そこで今回は資金収支計算書の「寄付金収入」をランキングに使った。
資金収支計算書は文字どおり、資金の収支を把握するもので、基本的にキャッシュの収支と考えてもらえればいい。つまり、主に現金で得られた、寄付金の額ということになる。一方で、書籍の寄贈や施設の提供など、「現物寄付」は算入されていない。事業活動収支計算書には現物寄付が算入されているため、大学によって金額には大きな差があることをあらかじめご承知いただきたい。
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