英語民間試験延期が大学入試改革に与える影響

共通テストの配点も基礎診断運用も問題だ

大人の事情で振り回されるのは子どもたちだ(写真:CORA/PIXTA)

英語民間試験の成績を大学に提供するための「共通ID」の受付が始まることになっていた11月1日早朝、教育業界に激震が走った。萩生田光一文部科学相が記者会見で、大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入を、2020年度は見送ると発表した。

まさに土壇場のタイミング。大学入試改革の英語民間試験は、2024年度以降の導入が検討されることになった。英語民間試験の成績を利用する入試を実施予定だった大学は、出願資格や選抜方法の見直しを迫られる。

なぜ4月導入延期ではなく2024年度まで延期なのか

早朝の時点ではとりあえず4月からの英語民間試験導入は見送るとの一報だったが、その時点で私は、2020年度の導入はほぼ不可能だと思った。なぜか。

4月からの導入ができなければ、年2回実施という当初の思惑もほぼ実現不可能となる。だとすれば結局、何度でも受けられることに意味があるはずの民間試験を一発勝負のテストとして利用するだけのこととなる。

たとえばすでに英検準2級をもっていて、ギリギリで英検2級に受かるかもしれないと思っている受験生は迷う。過去に取った成績は利用できないので、もしたった1回のチャンスで2級に挑戦して下手をすると、大学入学共通テストにおける英語民間試験の成績がゼロになってしまう。だったら確実にもういちど準2級を受けておいたほうがましだという判断になりかねない。

【2019年11月2日20時25分追記】初出時、すでに英検準2級をもった受験生が2級に挑戦した場合の記述が不正確でしたので、上記のように修正しました。

そのためにわざわざ全国の受験生が受験料を払って1日を費やす意味がどこにあるのだろうか。お金と時間の無駄でしかない。そう。今回の制度は、すでに英検やGTEC(ベネッセコーポレーションが実施する試験)で高い成績をおさめている受験生でも、大学入学共通テストの成績として提出するためには、そのための「共通ID」を発行してもらい、新たに試験を受けなければならない仕組みだったのだ。

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