まだまだ日本のレジは、客を自由にしてくれない。イライラしながらレジ袋を買ったかと思いきや、今度は、実にゆっくりと優雅な手つきで、袋に商品を整然と整理して入れはじめてくれる店も存在する。
レジ袋内で余計なスペースができるのは、その店のポリシーで御法度なのだろうか、それはそれは丁寧に無駄なスペースが発生しないようにきっちり詰めてくれるのだ。
おまけにやっと終わりそうだと思ったら、どこか気に食わなかったのだろうか、さっき入れた桃を取り出して、さらに美しく詰め直し始めてくれるではないか。
レジでの袋詰は「不要サービスの過剰供給」の象徴
いくら綺麗に袋詰めしたところで、家に着いた途端、すぐバラバラになる。はたしてあの整然とした袋詰めのこだわりには、「パッパッとやってくれる」というスピード価値を上回る効用はあるのだろうか。
おまけに袋は「大」「中」「小」から選べとやたらとカスタマイズさせてくれるのだが、「適当に合いそうなサイズでやってや!」ともどかしく思うのは、決して私だけではないはずだ。
しかも散々待たされた挙句、財布を忘れたことに気づく「私のような二流のレジ支払者」もいるのだから、もはやかける言葉も未来への希望もない、と言って差し支えないだろう。
またカード支払いで暗証番号を入力するとき、店員さんが超大げさに後ろを向いて手で目を覆う「私は絶対、あなたのパスワード見てませんからね!」の
ともあれ、この「不要な過剰サービスが多く、需要がなくても供給が過剰な『サービスの需給ギャップが多い』」ことも、日本経済全体で20兆円あるとも言われる需給ギャップの一因であるようにも思えるのだ。
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