シダックス取締役会が「TOB反対」を続ける真意 コロワイド撤退も膠着状態、法廷闘争に突入も

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ビルにあるシダックスの看板
「敵対的」TOBに揺れるシダックス。コロワイドの撤退にもかかわらず膠着状態が続く(記者撮影)

「コロワイド社からの提案の取り下げは、当社の意見表明(反対)に何ら影響を及ぼすものではありません」。9月15日、シダックスが公表したリリースには、反対を貫こうとする取締役会の意思が現れていた。

8月30日から始まった、オイシックス・ラ・大地によるシダックス株のTOB(株式公開買付)。9月初旬、外食大手のコロワイドがシダックスのフード関連事業の買収に名乗りを上げるなど、事態は混沌としていた。だが、コロワイドは9月14日、「混乱を回避するため」として、買収提案を突如取り下げた。

これでTOB成立に向けて動き出すかと思われたが、事はそう簡単に進まない。シダックスの取締役会がTOBに対して反対し続けているためだ。

株主間契約を履行するためのTOB

これまでの経緯を簡単に振り返っておこう。

今回のTOBの1株あたり買付価格は541円。TOB公表直前のシダックスの株価である635円よりも安い、ディスカウントTOBだ。そうなったのは、シダックスの創業家と日系の投資ファンド、ユニゾン・キャピタルとの間に締結された株主間契約がある。

ユニゾンは2019年5月、シダックスに優先株出資を実施、経営支援を始めた。その際に結ばれたのが株主間契約だ。同契約には、創業家がユニゾンに対し、ユニゾンの保有する株式を自らの指定する者に売却するよう請求できる権利が盛り込まれていた。

シダックスの業績回復もあり、創業家は2022年6月末、売却請求権を行使し、売却先としてオイシックス・ラ・大地を指名する。株主間契約には基準価格(売却額)の計算式が定められており、それを元に算出された売却額が541円だった。

つまり、このTOBは株主間契約の履行のためのものであり、一般株主からの応募は想定されていない。TOBが成立すれば、オイシックス・ラ・大地は約80億円でシダックス株の約27%を取得することになる。

こうして始まったTOBだが、ユニゾンはTOBへの応募に難色を示す。最大の理由は第三者、つまりコロワイドの買収提案の存在だった。買収提案を知りつつ、それについての公表がないうちにオイシックス・ラ・大地がTOBを始めたことは、インサイダー取引規制に違反するおそれが高いというものだった。

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