一段と円安が進んでいる。昨年から「悪い円安」に警鐘を鳴らしてきたみずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は、内外金利差による売りはこれからが本番だという。
9月7日、ドル円相場は一時144円を突破した。これで年初来の値幅は30円を超え、1989年の28.45円を上回った。「円安の年」としてはプラザ合意以降、最大の値幅である。
理由はどうあれ、2022年が日本円にとって歴史的な大相場になったことは間違いない。筆者が昨年に心配し警鐘を鳴らしたとおりの展開になってしまった(東洋経済オンライン記事『間違いなく「悪い円安」が日本経済を蝕んでいく』)。
足元の円売りの背景はさまざまなものが考えられるが、今週に入ってから金融市場、とりわけ為替市場で新たにテーマとなったのは、ロシアから欧州への天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の再開停止ぐらいしかない。
これを受けてドイツ経済への悲観的な見通しが台頭し、ユーロが対ドルで急落した。ドイツを筆頭とするユーロ域内のインフレ情勢を押し上げる話にも直結するため、9月8日のECB(欧州中央銀行)政策理事会では、利上げ幅の拡大に至る可能性がある。
最近までマイナス金利仲間であったユーロの政策金利も際立って浮上し始める中で、内外金利差の拡大が改めてクローズアップされ円売りにつながったのだろうか。
内外金利差はまだメインのテーマではなかった
筆者は内外金利差がテーマになるのはこれからが本番であると考えている。
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