加速する金融引き締め。焦点は、為替との連動性を強めるアメリカの国債利回りの上昇余地だ。
昨今の円安進行の背景には、日本の経常収支悪化に伴う実需による円売り圧力に加え、海外との金利差拡大に伴う投資資金による円売り圧力がある。
対ドル相場でいえば、米金利の上昇と国内金利の低位膠着による日米金利差拡大が4月末の1ドル=130円突破の要因となった。
約22年ぶりの引き上げ幅に
米金利の先行きを占ううえで注目された5月3~4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。米連邦準備制度理事会(FRB)は、政策金利であるFFレートの誘導目標を5日から0.5%引き上げ0.75~1%にすると決めた。3月の0.25%引き上げに続くもので、一度に0.5%の引き上げは約22年ぶりだ。
同時にFRBは、コロナ禍対策の量的緩和(QE)で急拡大した保有資産を段階的に圧縮していく量的引き締め(QT)を6月から開始することも決定した。
これを受けて4日の金融市場では、米国債利回りが低下し、1ドル=128円台まで円が反発。FRBのパウエル議長が記者会見で「(一度に)0.75%の利上げは積極的に検討していない」と述べ、過度な金利先高感が後退したためだ。
だが、それは一時的な反応にすぎなかった。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら