「職場で愛される人」は会話にコツがある! こうすれば、仕事はもっとうまくいく

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上手なアナウンサーの方も、そうです。たとえば、ミヤネ屋の宮根誠司さんなどは、コメンテーターの話が盛り上がったら、それを繰り返さず、次の話にいきます。テンポが悪い司会者は、盛り上がるとそこで終わればいいのに、その盛り上がりを振り返ってしまうのです。

これは普段の会議の進行でも参考になります。いちいち「○○さんは、☓☓の意見ということですが……」と繰り返す必要はありません。俯瞰して、もしくは聞いている立場になって考えてみればわかるのですが、今、聞いていたことを繰り返されるのはうっとおしいですよね。

おもしろいコミュニケーションには、俯瞰する視点が必要なのです。

自分のコンプレックスは、売りに転換する

それは今ご説明した「場」だけではありません。最も必要なのは「自分自身」を俯瞰する能力です。

たとえばですが、髪が薄い方でも、言える人と言いづらい人がいます。これを……

「愛されるハゲと愛されないハゲ」の法則と呼びます。

たとえば、飲み会などにいって、若いのにかなり髪の毛がいってしまっている人がいるとします。周囲は、一瞬、ひるみますよね。

先日、僕も飲み会で途中までかぶっていた帽子を脱ごうとした瞬間、女の子たちが一瞬黙り、僕の頭部に視線を送りました。そこに毛があることを確認すると、ホッとした顔をし、その後、なんとか戸惑いをごまかそうと半笑いする姿がありました。

実際のところ、当人が抱えているコンプレックスのほとんどは、他人とってはどうってことのないことです。そう思えれば、実はハゲは強力なおもしろさの武器です。

「いやー、まぶしくてすいません!」

と明るく言ってくれたらどうでしょう。

周囲は明るくなりますね。と、同時にこの人、人の器がでかい!と思われたりします。なんならイケメンよりモテたりします。ただハゲをハゲと言っただけなのに、です。

でもこれは実は深い話です。自分のコンプレックスを明かせる人は、自分を客観的にとらえられる人であり、それは相手の気持ちも考えられる人ということです。だから評価されるわけです。

これについては僕は、あまり偉そうなことは言えません。昔、体重が98キロありまして(現在は68キロ)そのときにはデブを売りにできませんでした。だからもしコンプレックスを克服できず、コミュニケーションにも悪い影響を及ぼしているなら、そのコンプレックスを克服(減量や増毛など)するか、開き直るかどちらかです。いちばんよくないのは、どちらもせずに見ないフリをすることです。

「おもしろい人」になるためのちょっとしたヒント、ぜひ参考にしてみてください。

吉田 照幸 NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー

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よしだ てるゆき / Yoshida Teruyuki

1969年、福岡県生まれ、山口県育ち。1993年NHK入局。NHKエンタープライズ番組開発部エグゼクティブ・プロデューサー。「のど自慢」「小朝が参りました」などエンターテイメント系の番組を中心に活躍。広島放送局を経て番組開発部移動後、2004年に「サラリーマンNEO」を企画、以後全シリーズの演出を担当。型破りな番組として人気を博す一方、タニタの社食、Google本社を日本のテレビ番組として初潜入、コントに日産のカルロス・ゴーン氏を引っ張り出すなど、話題となった

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