サラリーマンNEO流、「自分を変える」技術 30過ぎまで不発の人間でも、変われるか?
Chapter1 30過ぎて、変われるか?
30代になると、そろそろ自分の今後が気になり始めます。同期との差も生まれ、能力もうすうす見極められ、このまま人生終わっちゃうのかと絶望し、だんだん自信がなくなります。変わらなきゃと焦るものの、日々の業務に忙殺され(という言い訳をしながら)、ただ時間ばかりが過ぎていく。
僕もそんな中のひとりでした。
NHKに入局し、報道志望だったのに芸能番組部に配属。のど自慢から始まり、広島に転勤し、4年間過ごし、東京に戻り、また旅番組や歌番組を担当し、気づいたら32歳。これといった番組も作らず、与えられた仕事をこなす毎日でした。
同期は「紅白歌合戦」のメインどころの担当。僕はNHKホールの外で交通整理……。同期との差は広がるばかりでした。しかも、NHKのディレクター人生は意外に短く、37歳ぐらいになるとデスクとよばれる管理職予備軍になります。結果を示せる残された時間はわずか。焦っていました。
それから12年。一回りして44歳の今年の僕は、大ヒットした朝ドラ「あまちゃん」と年間最高視聴率の紅白歌合戦、この国民的番組の両方の演出をする名誉を授かりました。NHK史上誰もいません。ま、正確には朝ドラ「あまちゃん」のセカンドディレクターとして26週中の7週分担当し、紅白では「あまちゃん」コーナーの演出ですが……。それでも両方携わるなんて、32歳の僕の状況からすると誰も(もちろん自分も)まったく想像もできないことでした。なぜ、それができたか?
自分が「変わった」からです。
変わることで悪循環から抜け出し、好循環へと入って行きました。ではどうやったら変わるのか? 昨年執筆した『発想をカタチにする技術』(日本実業出版社)でも少し触れましたが、改めて今回は、その秘訣を書きます。
Chapter2 限界を認めることが出発点になる
僕が好循環に入ったきっかけは、「サラリーマンNEO」です。それは、たったA4、1枚の企画書から始まりました。「サラリーマンNEO」は、サラリーマンの悲哀を題材に、個性派俳優が演じるコント番組。生瀬勝久さんや沢村一樹さんが職場にいるような人物(※セクスィー部長は除く)を生き生きと演じてくれました。
当時、お固い番組ばかりのNHKで、突然、現れたコント番組は、衝撃を与えました。以後、シーズン6まで続き映画にもなりました。NHKでありえない番組は、どうやって思いついたのか?とよく聞かれます。正直に書きます。
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