サラリーマンNEO流、「自分を変える」技術 30過ぎまで不発の人間でも、変われるか?
過去の自分からすると、「え~、それじゃディレクター放棄!」です。無茶苦茶です。だけどなんだか、そのアイデアにワクワクしたのです。これまで背負ってきたものを下ろし、客観的に見るスタンスで番組を作ったらどうなるのかと。結果(残念ながら?幸運にも?)、シーズン3は、それまででいちばん面白いシーズンと言われました。同時に自分の台本の読み方が、具体的に頭の中で映像化できていないという欠点にも気づきました。
その経験が役立ち、メキメキ台本を読む力が上がりました。自分の能力の限界を悟ることで、足りないものが明確になり、能力が身に付く(幸せな)パラドクス!ぜひ行動を変えてみましょう!
……いやいや吉田さん、簡単に言うけど、難しいよ!……ですよね。習慣から脱却するのはとても難しい。その最大の原因は、行動を変えようと考えている自分が、自分のままだからです……。は? 意味わかんない?ですよね。では言い換えますと、行動を変えるコツはひとつ。
「自分から離れる」
これです。
Chapter4 自分を変える第一歩は、「自分から離れる」
自分から離れるってどんな状態?と思う方が多いかもしれません。
たとえば、ゴルフの練習場。ほとんどの人が「変な打ち方」をしています。なぜでしょうか? その打ち方で、奇跡的にナイスショットを打った経験があるからです。その成功体験が忘れられないから、頑なに「変えない」。当然、うまくならない。こんなに努力してるのになぜだ?と、クラブのせいにして新しいクラブを買いあさる……。まさに悪循環です。仕事でもこういう人、多いのではないでしょうか。
逆にうまくなる人は、自分のスイングを撮影したり、人に聞いたりして、感覚と実際の動きの差をきちっと認識し、それを解消するためさまざまなことを試します。つまり、自分のスイングを客観視しているわけです。自分から離れるとは、この状態です。
僕は空中から自分を見ている状態で過ごしています。ある意味、幽体離脱(笑)です。その状態って、「自分がない冷めた人にならない?」と、心配する人もいるでしょう。でもなぜか、自分から離れ始めた頃から、僕という人間の個性が発揮され、人から愛され始めました。自分から離れてるのに、なぜ? まさにパラドクスです。
実例です。「サラリーマンNEO」の映画を作ったときの出来事です。映画化は夢でした。足掛け8年、ようやく実現する日がきました。緊張で初めて胃が痛みました。撮影が始まりました。思うようにいきません。テレビよりも(手間がかかり)遅いのです。
僕は結構せっかちで、特に段取りが狂うとキレ、あおるのが常でした。それでも局内でやっている分には、みんなNHKの職員というベースがあるわけで、大きなもめ事になりません。しかし映画はフリーの世界。通用しません。撮影4日ぐらい経ったとき、のめり込んでいる自分に気づきました。そこでいったん、「離れ」ました。そして、邪魔をしているのは、テレビをやってきたプライドだと見極めました。
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