「保育士の数を2倍」にした園で起きた劇的変化 「加古川」では市を挙げて働き方改革に取り組む
さらに同市では、保育士向けの就職フェアを開催し、園の採用活動をサポートしている。
伊藤管理係長は、「民間園の協力のもと、園や定員の増加が実現し、今年4月にはようやく待機児童が0人になりました。だからこそ、市としても民間園の声を生かし、保育士確保に向けた取り組みを充実させている」と話す。
昨年の保育士就職フェアでは、参加者の3分の1が加古川市内の園で採用され、新規採用人数も増加傾向にある。
今後は、「AI入所調整」を取り入れる予定だ。今まで職員がアナログで行っていた入所調整をデジタル化することで、担当者ごとの判断のずれをなくせるうえ、入所予定の園を早く保護者に伝えられる可能性もある。
多田課長は、「働き方改革やICT活用を通して、保育士はもちろん、子どもや保護者も笑顔になれるよう、今後も施策を講じていきたい」と話した。
子どもと向き合う時間を増やすことで…
保育士には、連絡帳の記入、日報や指導案の作成など、子どもの成長と寄り添う以外の業務も多い。
その中で「人がやらなくてもよい業務」の負担を軽減し、さらには人員を増やすなどして、ゆとりを持って「子どもと向き合う時間」を増やすことが、保育士の定着につながっていく。さらには、潜在保育士が保育の魅力を再発見することにもつながるだろう。
保育士の働き方改革は、国や自治体の制度や園の取り組み、そしてICTなどさまざまな側面から行われている。今後も社会全体で保育士不足について考えていけば、多様なアイデアによって保育士や子どもたちの環境がよりよくなるかもしれない。
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