「保育士の数を2倍」にした園で起きた劇的変化 「加古川」では市を挙げて働き方改革に取り組む
自治体として、保育士の働き方改革に取り組んでいるのが、兵庫県加古川市だ。政策企画課 多田功スマートシティ推進担当課長は、「ほかの市町村と同じく待機児童をはじめ、保育士不足は地域課題だった」と振り返る。
これらの地域課題の現状を知るため、多田課長は市内の保育園に足しげく通った。すると、「事務作業など、子どもと向き合う以外の業務にもかなりの時間がかけられていることに気づいた」(多田課長)という。
「具体的にどの業務が大変なのか検証し、ICTを使って何とかできないだろうか」と考えた多田課長は、内閣府のスマートシティ実証研究に応募。ICT導入による保育士業務の変化に関する検証が始まった。
「ICTを使った実証実験で、さまざまなツールを導入」
実証研究ではさまざまな実験が行われたが、なかでも興味深いのがNECの感情分析ツールによる実験だ。この実験では1カ月間、園長と受け持ちクラスのある主任教諭に感情分析ツールを着けてもらい、感情を測定しながら行動記録を行った。
「測定結果から、園長先生は園全体を見なければならないプレッシャーのなか仕事をしており、つねに集中・緊張状態で高い負荷がかかっていることがわかった」(多田課長)
そのうえ事務作業も膨大だ。「園長の負荷を軽くしなければ、その部下である保育士の負荷は軽くならない」と考え、同市では園長の事務補助職員の採用を始めた。
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