日本の不動産市場で攻勢をかける香港のファンド、ガウ・キャピタル・パートナーズ。今、日本に積極投資をする理由はどこにあるのか。
今、最も日本の不動産を買いあさっている外資系ファンド。それが香港の富豪ガウ一族が指揮する不動産PE(プライベート・エクイティ)ファンドのガウ・キャピタル・パートナーズだ。
同社は、当時赤字だったハイアットリージェンシー大阪を取得して2014年に日本初上陸。その後、東京の青山ビルや大阪の松下IMPビルなど大型物件を購入し、2020年10月~2022年3月の外資系ファンドによる国内不動産投資額ではトップに立つ。
特徴的なのが割安な不動産の価値を引き上げて売り抜ける、“攻めの投資スタイル”だ。2017年に約800億円で取得した横浜のみなとみらいセンタービルは、3年後には約980億円でゴールドマン・サックスのSPC(特定目的会社)に売却した。
直近では中小規模の賃貸マンションをまとめ買いするなど、日本での投資を拡大している。このタイミングで日本の不動産を買い進める狙いは何か。ガウ・キャピタルのマネージング・ディレクター兼ヘッド・オブ・ジャパン、イザベラ・ロー氏を直撃した。
東名阪が投資の中心になる
――2022年3月に東京だけでなく大阪や北海道の賃貸マンションを合計32物件取得しました。
出資者であるQIA(カタール投資庁)から求められていたのは、長期間保有できて安定した収益が見込める投資案件だ。その点、日本の賃貸マンションは需要のある主要都市であれば家賃収入が安定している。
キャップレート(還元利回り、不動産の収益性を示す)は下がらないと思うが、資産価値が上がるとも想定していない。取得した賃貸マンションは、およそ10年間にわたり保有することになるだろう。
――ただ、日本では人口減少が続いており、経済成長も鈍化しています。売却先は見つかるのでしょうか。
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