コロナ禍で観光客が激減したにもかかわらず、ホテルやコンドミニアムなど富裕層向け施設開発が活況。北海道のリゾート地・ニセコに何が起きているのか。
北海道倶知安(くっちゃん)町とニセコ町、蘭越町の3町を総称するリゾート地「ニセコ」。コロナ禍での渡航制限によって冷え切った観光熱を尻目に、現地の不動産市場は以前にも増して熱を帯びている。
ニセコの中心部にあたる、倶知安町ひらふエリア。東急不動産ホールディングスグループが運営する大型スキー場の麓に位置し、ゲレンデから滑走した勢いで宿泊施設の玄関までたどり着ける利便性が評判で、高級ホテルやコンドミニアム(分譲ホテル)が林立している。
そんなひらふエリアの中でもとくにスキー場に近い一角で、新たなコンドミニアムの建設が進んでいる。物件の名称は「マティエニセコ」。全114室で、開発主は韓国の財閥系デベロッパーであるハンファホテルズアンドリゾートだ。
不動産会社の資料によれば、399平方メートルの部屋が約14億円で販売されている。45平方メートルという小さな部屋でも価格は1億円超で、坪単価は約780万円。東京都心部の高級マンションとも肩を並べる水準だ。
その目と鼻の先に立つコンドミニアム「スカイニセコ」(2018年末に開業)は、当時坪600万円前後で販売されており、この4年間で売買相場は一段と上昇したことがうかがえる。
コロナ禍でも地価上昇
強気の価格設定にもかかわらず、販売は好調だ。マティエニセコの販売を仲介するリストインターナショナルリアルティの担当者は、「シンガポールや香港など、アジア圏の富裕層がすでに購入している。現在も台湾の富裕層が検討中だ」と話す。
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