ディズニーが入園者数にあえて上限を設ける事情 長年の課題だった混雑度緩和、客単価の上昇も

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コロナ禍で一時はどん底に落ち込んだディズニーリゾートの入園者数。オリエンタルランドが公表した中期経営計画では、あえて入園者数を抑える方針を打ち出した。

今後は満足度をさらに引き上げる策が求められる(記者撮影)

「ゲストのパーク体験の質を向上させるため、1日あたりの入園者数の上限をコロナ禍前より引き下げます」

4月27日の記者会見の場で、オリエンタルランドの吉田謙次社長ははっきりと言い切った。

年々増加する入園者に対応し、積極投資を重ねてきたディズニーリゾート。コロナ禍でいったんは大きく沈んだ入園者数が回復途上にある中、あえて入園者数に上限を設ける理由は何か。

入園者数は10年以上前の水準に

オリエンタルランドは4月27日、2025年3月期に向けた3年間の中期経営計画を発表した。コロナ禍からの復活を目指すもので、営業利益1000億円以上(2022年3月期実績は77億円)、営業キャッシュフローは過去最高の1285億円超(同546億円)のほか、新事業の育成などを掲げた。入園者数の上限の引き下げはこの中で明示されたものだ。

計画では、2025年3月期の入園者数を2600万人レベルとしている。緊急事態宣言等の影響で1205万人に終わった2022年3月期からすれば大幅な回復だが、コロナ前の2019年3月期には過去最高の3255万人が訪れていた。2600万人は、2007年や2010年(いずれも3月期、ともに2581万人)などと同じレベルで、10年以上前の水準に戻ることになる。

しかも、単に人数を引き下げるだけではない。2023年には2500億円を投じる東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」のオープンが控える。同エリアは約500億円の売上高増加を見込む大規模拡張のプロジェクト。キャパシティが広がって入園者数増加が見込める中、あえて入園者数を制限するわけだ。

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