ディズニーリゾート"大幅改装見直し"の真相 人気のアトラクションはどう変わるのか?

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ディズニーリゾートの開発計画は大幅に変更。アナ雪などのアトラクションはどうなるのか?
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは今春、2020年度に向けた開発計画を発表した。東京ディズニーランドに「美女と野獣」「ベイマックス」などの新アトラクションを開設し、東京ディズニーシーでは映像で空の旅を楽しめるアトラクション「ソアリン(仮称)」を新設する。
しかし、当初予定していたランドのファンタジーランド(白雪姫などのエリア)の大幅リニューアルは見直し。シーのアトラクション「アナと雪の女王」の開設も先送りとなった。開発を見直した真意を上西京一郎社長に聞いた。

 

――当初の開発計画を見直した理由とは。

われわれは2014年春に10年後の「ありたい姿」(中期経営ビジョン)を発表した。パークの入園者数は2012年度に2700万人台であり、ファンタジーランドを10年かけて刷新することで、それをフックに継続的に3000万人台のゲストに来ていただけるレベルに持っていこうと考えていた。

しかし入園者数は2013年度に3100万人に増え、その後も3000万人台を維持している。当初の想定を上回っており、収容能力の限界に近づく日も増えていった。そこで、ファンタジーランドの刷新はなるべく短い期間に収め、そのほかのエリアも含めてリニューアルする方向に切り替えた。ゲストの回遊の流れを変えることで(混雑を緩和して)、パークの魅力を高めていきたい。

――なぜ想定より早く入園者数3000万人台の水準を達成できたのか。

いい意味でゲストからの支持が集まったからだが、コト消費ブームの影響もあると思う。今、人を感動させる体験や、気持ちに訴えるものへのニーズが高まっている。そういう状況で、われわれの施設とキャスト(従業員)のホスピタリティに共感いただいているのではないかと思う。

混雑を平準化させたい

――ゲストの回遊をどう変えようとしているのか。

ランドで言えば、エントランスから右側に回り、ファンタジーランドに向かう方と、左側のアドベンチャーランドやウエスタンランドに回る方とのバランスを図りたい(マップ参照)。ファンタジーランド以外のエリアにも着手してパーク全体の魅力を上げていきたい。

上西社長はパーク全体の満足度を向上させたいと熱心に語る。そのためには、アトラクションを新設しつつも、混雑を緩和していくことが求められる

回遊だけではない。ゲストの満足度を上げるため、季節によって異なるパークの混雑も平準化させたい。今は第2四半期(7~9月)、第3四半期(10~12月)の入園者数は高水準だが、第1四半期(4~6月)、第4四半期(1~3月)は伸びしろがある。

第1四半期には「ディズニー・イースター」のイベント効果が出ており、第4四半期にも「アナと雪の女王」のイベントが集客に効いているが、まだ足りない。今後もイベントやチケットの価格戦略などで、さらなる平準化を図っていく。

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