リーマンショックに東日本大震災、そしてコロナ禍。社長着任から16年ヒューリックを率いてきた西浦会長は、同社の将来像をどう展望するのか。
コロナの影響は「まったくない」
――前回(2020年10月)のインタビューでは、「コロナにうろたえる必要はない」と話していました。あれから状況に変化はありますか。
「(コロナ禍で)日本の不動産はどうなるのか」という取材をよく受けるけど、北海道から沖縄まで(影響は)さまざまだ。当社が保有するビルは都心で、かつ駅から徒歩3、4分の立地が多く、しかもほかの大手デベロッパーのように大規模なものではない。そういった物件に限れば、空室率や賃料にはまったく影響が出ていない。
この先を見れば、懸念材料がないわけではない。今後10年間で国内の労働人口が700万~800万人減る見通しで、オフィス需要も減っていく。僕がこの会社に来た時、保有物件の85%はオフィスビルだった。今、これを50%くらいに落とそうとしている。
その代わりに老人ホームやホテル、データセンターや物流施設、「こどもでぱーと」(教育関連テナントを集積させた商業施設)などを開発する。
今の乳幼児が社会人になるまでの20年間については、人口動態(に基づく教育関連需要など)のトレンドを予測できる。高齢者に関しても同様。平均寿命が延びるから、老人ホームなら40年間は需要があるだろう。(子どもや高齢者の領域など)成長が期待できる用途に保有ビルをシフトしていく。
――不動産市場では最近、外資系ファンドの存在感が高まっています。
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