ヒューリック「中興の祖」が貫く独自経営の3鉄則 社長着任から16年、見えてきた財閥系3社の背中

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リーマンショックに東日本大震災、そしてコロナ禍。社長着任から16年ヒューリックを率いてきた西浦会長は、同社の将来像をどう展望するのか。

3月に社長が交代した一方で、会長の西浦氏は続投。新社長とともに、経営の舵取りをどう担っていくのか(写真:梅谷秀司)

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ヒューリックの前身・日本橋興業は、富士銀行(現みずほ銀行)の店舗ビルを賃貸・管理する会社だった。バブル崩壊後には、不良債権処理で含み損を抱えた物件を銀行から引き取り財務が悪化。「問題のない会社にしてくれ」と請われ、2006年にみずほ銀行副頭取から日本橋興業の社長に転身したのが、現会長の西浦三郎氏だ。
西浦氏は保有ビルの建て替えによる高収益化や財務体質の改善など改革を矢継ぎ早に進め、2008年には同社を東証1部上場へと導いた。その後も中規模ビルの開発や収益物件への投資を加速。現在は三井不動産、三菱地所、住友不動産に次いで総合不動産会社では4番目の時価総額を誇る。
転身から16年が経った今も、西浦氏は代表取締役会長として辣腕を振るう。2022年3月には社長が前田隆也氏に交代したが、会長は続投となった。大手との差別化を標榜し、独自路線で成長を続けるヒューリックの将来像をどう見据えているのか。

コロナの影響は「まったくない」

――前回(2020年10月)のインタビューでは、「コロナにうろたえる必要はない」と話していました。あれから状況に変化はありますか。

「(コロナ禍で)日本の不動産はどうなるのか」という取材をよく受けるけど、北海道から沖縄まで(影響は)さまざまだ。当社が保有するビルは都心で、かつ駅から徒歩3、4分の立地が多く、しかもほかの大手デベロッパーのように大規模なものではない。そういった物件に限れば、空室率や賃料にはまったく影響が出ていない。

この先を見れば、懸念材料がないわけではない。今後10年間で国内の労働人口が700万~800万人減る見通しで、オフィス需要も減っていく。僕がこの会社に来た時、保有物件の85%はオフィスビルだった。今、これを50%くらいに落とそうとしている。

その代わりに老人ホームやホテル、データセンターや物流施設、「こどもでぱーと」(教育関連テナントを集積させた商業施設)などを開発する。

今の乳幼児が社会人になるまでの20年間については、人口動態(に基づく教育関連需要など)のトレンドを予測できる。高齢者に関しても同様。平均寿命が延びるから、老人ホームなら40年間は需要があるだろう。(子どもや高齢者の領域など)成長が期待できる用途に保有ビルをシフトしていく。

――不動産市場では最近、外資系ファンドの存在感が高まっています。

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