前職時代から不動産開発に従事し、銀行出身のトップが続いたヒューリックで初の開発畑。前田新社長の見据える長期戦略とは。
数百億円規模の大型物件の売買で鳴らすヒューリックだが、ここ数年力を入れるのは不動産賃貸だ。「水物」の不動産売買ではなく安定収益である賃料収入で利益の過半を稼ぐべく、2029年までの長期計画で100物件超のビル開発や建て替えを進める。
3月に前田隆也氏がヒューリックの新社長に就任したことは、この開発重視の姿勢を世に知らしめたといえる。
前職の大成建設時代から不動産開発に従事し、銀行出身のトップが続いたヒューリックとしては初の開発畑。「ある意味(ヒューリックの)プロパー社員」と話す前田氏に、長期計画達成に向けた戦略や手応えを聞いた。
「開発で成長する」というメッセージ
――2007年に大成建設からヒューリックに移籍しました。
当時、ヒューリックという会社については詳しく知らなかった(笑)。
入社する半年前、同じ大成建設で不動産開発を担っていた古市信二さん(現ヒューリックプロパティソリューション会長)がヒューリックに参画したたため、どんな会社かなと調べたら、非常にいい立地の物件を保有していて、かつ建て替えればいいビルになりそうな物件が多かった。私もヒューリックで建て替えを推進していけたら面白そうだと思った。
ヒューリックに来た当時は不動産部門の人材があまりおらず、「とりあえずお前やってみろ」と言われてさまざまな物件の開発に携わってきた。
――ヒューリックは西浦三郎会長、吉留学前社長と、みずほ銀行出身の社長が続きました。一方で前田社長はゼネコン出身で、不動産開発畑を歩んできました。
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