三菱に洋上風力で敗した再エネベンチャーの胸中 レノバ社長が語る「1日も早い稼働」への熱意
脱炭素の切り札である洋上風力発電。国内初の公募案件に敗退したものの、依然として参入に意欲を見せるレノバの戦略に迫る。

きみなみ・ようすけ/1974年生まれ。京都大学総合人間学部卒。1998年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。2000年にリサイクルワン(現レノバ)を創業。現在に至る(撮影:尾形文繁)
国内の導入余地が大きく、「再生可能エネルギーの主力」を担うと期待されている洋上風力発電。2021年12月に国内初となる3海域の公募入札結果が公表され、三菱商事などのグループが総取りする結果となった。(「洋上風力 価格破壊ショック」特集はこちらから)
いち早く洋上風力発電事業への参画を目指しながらも、今回の公募入札に敗退した再エネ大手「レノバ」の木南陽介社長に今後の成長戦略を聞いた。
──そもそもレノバが再エネ事業に取り組んできたのはなぜでしょう。
大学時代に環境問題を研究していた。これはすごく大事な話なのに、あまり取り組みがなされていなかった。官庁や非政府組織(NGO)ではなく、ビジネスとしてやらなければならないと思ったのが当社を立ち上げた理由だ。ただ、設立当時の日本のエネルギー政策は原子力発電比率を高めることで、再生可能エネルギーは優先順位でいえば後回し。市場も小さかった。結局はリサイクル事業を主軸にして今の会社を立ち上げた。
洋上風力事業に先駈けて意欲
──FIT(固定価格買取)制度が始まったことが追い風になったということですか。
そうだ。海外でも似たような市場はあるけれども、日本はちょっと極端な形で市場が始まった。非常に高い売電価格が設定されて、これまで再エネに縁もゆかりもなかった事業者が大量に参入した。
彼らと当社の位置づけは違うと思っているが、事業化しやすい素地ができたのは事実で一気に事業展開することができた。日本の再エネ市場は太陽光が一番大きくて、バイオマス、陸上風力と続く。欧州が風力偏重の市場であることとはまったく違う。
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