世界中で異常気象とそれに伴う自然災害が多発している。このほど発表されたIPCCの最新報告書を読み解いた。
この夏、西日本から東日本にかけての広い範囲で、40度を超える猛暑や大洪水の被害が相次いでいる。世界を見渡しても、自然災害が多発している。
2021年7月のドイツとベルギーでの大規模な洪水では、濁流が家屋と車を洗い流し、100人以上が亡くなったと報告された。中国では7月の大洪水によって数百万人が被害を受けている。
さらに、北アメリカ北西部では、数日間にわたって40度を超える酷暑が続き、カナダ西部ブリティッシュコロンビア州のリトンでは同国での観測史上最高となる49.6度を記録している。
これらの自然災害は、産業革命以前と比べて約1.1度の平均気温上昇の過程で起こっているものだ。国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が8月9日に発表した最新の報告書によれば、地球がさらに温暖化していくにつれて、こういった「極端現象」の頻度と強度が一段と増していくという。
IPCC第6次報告書の要点
今回の報告書は、今後20年以内に産業革命以前と比べて世界の平均気温は1.5度上昇し、最も低いシナリオを除いては、1.5度を超えていくと指摘した。気温上昇を1.5度に抑え、深刻な影響を防げるかどうかは、この10年間の私たちの行動次第だということも改めて示された。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら