国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は4月、気候変動の緩和(温暖化対策)に関する最新の評価報告書を発表した。ここには、気候変動について私たちが知っておくべき最新の知見が詰まっている。
国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は4月、気候変動の緩和(温暖化対策)に関する最新の評価報告書を発表した。
IPCCの評価報告書では、地球温暖化に関する科学の最新の知見が取りまとめられている。1992年の第1次報告書に始まり、これまで6回の報告書が公表されている。気候変動の科学、影響と適応、緩和の3つの作業部会からそれぞれ発表され、これで第6次評価報告書は出そろったことになる。
IPCC報告書はCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)をはじめとした国際交渉のゆくえにも大きな影響を与え、約200カ国が参加する2015年のパリ協定では、IPCCの知見がふんだんに取り入れられた。今回の報告書も、11月にエジプトで予定されているCOP27に大きな影響を及ぼすとみられる。
これら一連の報告書を読み解くと、気候変動について私たちが知っておくべき最新の知見を得られる。今回は、その中から7つの知見に絞って重要なポイントを紹介したい。
洪水や猛暑、森林火災が深刻化
1つ目は今回の報告書でとりわけ衝撃的だったことで、もはや取り返しのつかないほどの洪水や猛暑、森林火災といった損失や損害が発生しており、今後も深刻化していくと指摘されたことだ。すなわち人の努力で適応できる限界を超え、「取り返しのつかない損害」にまで至っていることだ。
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