愛知県の知多半島の町で、太陽光発電所の建設を目的とした山林の乱開発が住民の批判を浴びている。国や自治体の規制逃れの疑いもある。
知多半島の突端に位置する愛知県南知多町で、名古屋市の企業が太陽光発電所の建設を目的として山林を広範囲に伐採。住民に十分な説明なしに開発を進めたうえ、行政の規制逃れとも批判される乱暴な開発をしていることがこのほど明らかになった。
計画によると、同町の市街地を流れる内海川の上流域5カ所の山林8ヘクタールを伐採し、斜面を切り崩して太陽光パネルを敷き詰めるという。太陽光パネルの下で、榊やブルーベリー、キウイ、レモンなどの作物を栽培し、「ソーラーシェアリング」(営農型太陽光発電)を行うとしている。
土砂や伐採木で水路や田畑を埋め立て
南知多町で太陽光発電所の建設を計画しているのは、名古屋市に本社を置くディーエスエス(以下DSS、木下誠剛社長)だ。同社によれば、「将来は地域に知的障害者のグループホームを建設し、農業に従事してもらうことを計画している。地域の活性化に貢献したい」という。
しかし、町や住民が開発計画の実態を知ったのは、つい最近のことだ。2020年後半から用地買収を始め、2021年10月末に大規模な伐採や造成工事に着手。現在、大型の重機を投入しての突貫工事が続けられている。
DSSは森を切り開き、伐採木を燃やし、土砂や伐採木で水路や田畑を埋める乱暴な開発を行っていた。その実態を目のあたりにした住民が町議会議員らに通報。町役場が実態調査に乗り出したことで、問題が初めて明るみに出た。
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