日本人は豪雨災害頻発の未来から逃れられない どうすれば深刻な事態に備えられるのか
20世紀の「100年に1度」が21世紀には「30年に1度」にも
――台風19号による雨量は、「100年に1度」のレベルを超えた、と報じられました。防災科学技術研究所が発表した分析結果によると、千曲川、阿武隈川流域で100年に1度と想定される量を超えていました。
私たちの研究グループでは、気候モデルによる推計値を利用して20世紀と21世紀の雨の降り方を比較したことがあります。1年のうち一番雨が多かった日の降雨量について、そうした豪雨が何年に1度の確率で降るかを示したグラフを見てください。これによると、20世紀には100年に1度の頻度だった豪雨が、21世紀には約30年に1度になってしまいます。
(編集部註:外部配信先ではグラフを全部閲覧できない場合があるので、その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
――とんでもない大雨がよりひんぱんに来る、ということですか。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、1981〜2000年には20年に1度しか起こらなかった大雨が、2046〜2065年には十数年に1度、2081〜2100年には8〜10年に1度、平均すると生じるようになる、とも指摘しています。洪水の場合、地域により違いが大きいのですが、日本付近では、20世紀における100年に1度の洪水が21世紀には10年に1度程度になるという研究結果も示されています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら