三菱商事が3プロジェクトすべてを落札したと話題を呼んだ洋上風力発電プロジェクト。工事も鹿島が「総取り」する結果となった。背景に何があったのか。
またもや「総取り」だった。
2021年12月、総合商社大手の三菱商事を中心とするコンソーシアムが秋田県と千葉県の大型洋上風力発電プロジェクト3件すべてを落札し、関係者の度肝を抜いたことは記憶に新しい。実は、この3海域の風力発電装置の建設工事についても「独占」が起きていた。スーパーゼネコンの鹿島がすべての工事を受注したのだ。
具体的には、鹿島はオランダの海洋土木大手バンオードの日本法人とジョイントベンチャー(JV)を組み、「秋田県能代市、三種町および男鹿市沖」「秋田県由利本荘市沖」「千葉県銚子市沖」における風力発電事業の建設工事を請け負う。
「付け入るすきがなかった」
3海域の風力発電プロジェクトは、合計出力が1688.4メガワット、風車134基を設置する超大型の建設工事だ。これらを国内ゼネコンとしては鹿島1社で独占する異例の事態が生じたが、ゼネコン業界関係者はおしなべて冷静に受け止めている。
スーパーゼネコンのある社員は「3海域の事業運営体が三菱商事系のコンソーシアムに決まった時点で、鹿島がすべて受注することは既定路線だった。どこのゼネコンも、もはや付け入るすきがなかった」と話す。
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