大林組、業績急落の背景にある「地方案件」の存在 資材高直撃、収益回復シナリオはなぜ狂ったのか

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スーパーゼネコンの一角、大林組の業績が大きく落ち込んでいる。「大林ショック」が株式市場を駆けめぐっている。

大林組が工事を手がけている北海道ボールパーク(北海道北広島市)。工事の遅れなどが懸念されている(編集部撮影)

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「ショックだった。突然の発表だったので、本当にびっくりした」

スーパーゼネコンのある首脳は、ライバルである大林組の決算についてこんな感想を漏らす。

大林組が11月8日に発表した2022年3月期の通期業績計画の下方修正は、ゼネコン業界に衝撃をもたらした。

突出した業績の落ち込み

修正後の売上高は前期比10.9%増の1兆9600億円だが、営業利益は同72%減の345億円と、大幅減益になる見通しだ。営業利益は当初計画に比べて605億円もの減額となり、東京五輪特需に沸く前の2014年ごろの水準にまで一気に低下する。

スーパーゼネコン各社は受注競争の激化を受けて採算悪化に苦しんでおり、今期については軒並み2桁の営業減益を見込む。その中でも、大林組の7割もの減益は突出した落ち込みとなっている。

下方修正を発表した11月8日の大林組株価は一時、前営業日終値比で10.7%安の885円をつけるなど、まさに「大林ショック」が市場を駆けめぐった。

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