ゼネコン再編「3つのシナリオ」 内向き体質は変わるのか

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村上系ファンドが22%強を保有する中堅ゼネコンの大豊建設(記者撮影)

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「建設業界は統廃合などの再編が必要だ。談合体質が残っているなど業界全体が古い体質のまま。こんなことになっている業界は見たことがない」

中堅ゼネコンに出資するファンド関係者は、建設業界に変革が必要であると説く。

現在、建設業界には複数のモノ言う株主(アクティビスト)が出資している。その中でも村上世彰氏が率いる村上系ファンドについては、「必ず再編を仕掛けてくる」と多くの業界関係者はみている。投資先企業同士の合併など再編を引き金にして投資利益を増やすのが村上系ファンドの得意技であることが、建設業界関係者の頭に刻み込まれているからだ。

村上系ファンドが2015年にエレクトロニクス商社の黒田電気と対立した際、村上氏は「(業界の)プレーヤーが多すぎる。再編が必要」と主張。2005年には村上系ファンドが阪神電気鉄道株を取得したことを契機に、電鉄の統合会社である阪急阪神ホールディングス誕生と阪急、阪神両百貨店統合を引き起こした。

村上氏の著書『生涯投資家』には基本的な投資スタンスの1つとして、「これは父の教えだが、企業に大きな変革を成し遂げるには、過半数に近い議決権を握らなければ難しい」との記述がある。村上系ファンドは今後、各社の株式をさらに買い増したうえで再編を促すと見てよいだろう。

業界内で飛び交う臆測

では、株式を保有している建設会社に対して、具体的にどのような仕掛けを打ってくるのか。業界内では目下、さまざまな臆測が飛び交っている。

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