ゼネコン四重苦 序列激変と大和ハウスの猛攻

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仕事はあるのにダンピングが横行する現在のゼネコン業界。異業種からの建設市場参入も表面化してきた。かつての建設不況期とは様相の違う「激動期」に突入している。

「仕事はあるのに、利益率がぐっと落ちてきている」。スーパーゼネコン・清水建設の井上和幸社長は、現在のゼネコンの豊作貧乏ぶりについてこう語る。

建設経済研究所によると、2022年度の建設投資見通しは前年度比0.3%増の62兆9900億円。過去20年間で最も多い。建築では再開発工事、土木では国土強靱化関連工事が底堅く推移する。

だが、「(請負額が)1000億円を超える工事が普通に出てくるようになった」と大成建設の相川善郎社長が語るように、工事は大型化の傾向にある。とくに首都圏の再開発工事が巨大化。手がける大手デベロッパーからの値下げ圧力で採算は厳しい(図の脅威1)。

「デベロッパーとの価格交渉がこれほど厳しくなるとは想像していなかった」。銀行からゼネコンに転籍した中堅ゼネコンのある社員は、こう吐露する。

ゼネコンとしても、受注できないと影響が大きいため、大型工事の獲得競争に躍起になる。結果、ダンピングが横行し、受注時の工事採算が大幅に低下している。「再開発案件は、ほとんど赤字なんだよね」。大手ゼネコンの役員たちは会合で顔をそろえると、こう嘆いているという。

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