EC拡大で開発ラッシュの物流施設。ゼネコンの受注競争も熱を帯びる。
千葉県流山市の常磐自動車道・流山インターチェンジを下りると、千葉県道5号沿いに、物流施設群が次々現れる。
中でも目を引くのが、2021年11月に稼働した大和ハウス工業の巨大物流施設「DPL流山Ⅳ」だ。
延べ床面積は東京ドーム7個分の32万2299平方メートル。大和ハウスの「DPL流山プロジェクト」で稼働した3棟目の物件にして、東日本最大の物流施設となる。流山プロジェクト全体では延べ床面積は71万1266平方メートルに上り、国内最大級の開発規模になる。
大和ハウスが巨大プロジェクトを展開するこの一帯は、曰(いわ)くつきの土地だった。
流山インターチェンジから2.7キロメートルの距離にあり、交通利便性が高い。しかし、「10ヘクタール以上の規模で良好な営農条件を備えている農地」とされる第1種農地のため、ほかの用途への転用は「原則不可」とされてきた。
「開発の認可が下りるかわからない難しい土地だったので、当社は手を引いた」と、大手デベロッパーの幹部は明かす。
他社が尻込みするこの活用困難地を手に入れた経緯をひもとくと、大和ハウスのデベロッパーとしての強みが浮かび上がってくる。
投資計画額を一気に倍増
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