スーパーゼネコンの一角、大成建設の副会長や社長を務めた「大物」が大和ハウス工業へ電撃移籍した。移籍後、メディア初登場となる大和ハウスの村田誉之副社長に聞いた。

物流施設を牽引役に大和ハウス工業の成長は著しい。写真は埼玉県坂戸市にあるDPL坂戸(大和ハウス工業提供)
2021年の建設業界における話題の1つが、スーパーゼネコン幹部のハウスメーカーへの電撃移籍だった。
大成建設の副会長を務めていた村田誉之氏がハウスメーカー最大手の大和ハウス工業に移籍し、副社長に就任したのだ。2015年から2020年まで大成建設の社長も務めた村田氏のような大物が、ゼネコンから「格下」とみられているハウスメーカーへ移籍することは珍しい。
創業100周年にあたる2055年に売上高10兆円を目指している大和ハウス。ここ数年は物流施設など非住宅分野の大型開発を次々に手がけ、ゼネコンからは脅威とみられている。
村田氏はなぜ大和ハウスへ移籍したのか。移籍後、メディアに初めて登場した村田氏に聞いた(取材は11月9日に行った)。
社長の熱い思いに打たれた
――2020年6月に村田さんが大成建設の社長を辞任したことは衝撃的でした。当時は業績もよかっただけに、大成建設の山内隆司会長との確執のほか、リニア中央新幹線をめぐる談合事件の影響なども取り沙汰されました。
(会長との確執やリニア談合の影響は)一切ない。自分が社長の間は、建設業の置かれた環境が割とよいときだった。当時、業績は決して悪くなかったが、中期経営計画の最終年度に目標数字を達成できないことについてけじめをつけた。それに尽きる。
――社長を退任した当時は、大和ハウスへ移籍する予定ではなかった?
もちろんだ。確かに(大成建設の)社長を退いたのが通常の決算期が進行している途中で、異例の形になった。
その後の1年間は、執行部ではない副会長という立場だったが、社長時代にやり残した安全と働き方改革を推進しようと思っていた。
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