再編機運が高まるゼネコン業界。中堅ゼネコン・西松建設をめぐる攻防戦を振り返りながら、アクティビストの今後の動きを考察する。
「西松建設は身ぐるみを剥がされ、裸同然の姿にされたようなものだ」
ある中堅ゼネコンの幹部は、準大手ゼネコン・西松建設とモノ言う株主(アクティビスト)として知られる村上系ファンドとの攻防戦をこのように振り返る。
2020年春ごろに村上系ファンドのシティインデックスイレブンス(以下、シティ)の西松建設株取得が明らかになって以来、2年近くにわたって、株主還元強化や再編を訴える村上系ファンド側とそれに反発する西松建設との対立が続いていた。
その後、2021年12月になって西松建設は総合商社大手の伊藤忠商事との資本提携を発表した。伊藤忠商事は同月、シティなどから西松建設の株式を議決権ベースで約10%取得。西松建設の筆頭株主となった。いわば、伊藤忠商事が西松建設の「ホワイトナイト」(白馬の騎士)になった形だ。
ホワイトナイトの有力候補は?
西松建設のホワイトナイトとしては、「スーパーゼネコンの大成建設が有力」(複数の業界関係者)とみなされていた。大成建設と西松建設はともにメインの取引銀行がみずほ銀行で、「みずほ銀行は大成建設と西松建設の統合を描いている」(中堅ゼネコンの経営者)とみられていたからだ。
ところが、西松建設の関係者は「(実際のホワイトナイトとしては)最初から伊藤忠商事が大本命だった」と明かす。
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