経営環境が厳しさを増すゼネコン各社が生き残りのために必要なものは何なのか。ゼネコン界の「重鎮」である大成建設の山内隆司会長に聞いた。
「追い風」は2回しか吹かなかった
――国内建設市場では受注競争が一層厳しくなっています。
私が建設業界に従事してから50年以上経っているが、その間に、フォローの風が吹いて仕事が潤沢にあった時期は2回しかない。1回目は(1980年代後半の)バブルのとき、もう1回は(2015年から2019年ごろにかけて)東京五輪の特需に沸いたときだ。
それ以外の期間はずっと、建設業にとって冬の時代だった。過当競争がきつく、建設業界は低い利益水準にあえいできた。
足元の受注競争が厳しくなっているのは、業界が「元の状態に戻っただけ」とも言える。この厳しい時代にどうやって生き残るのか、業界全体で考えていかないといけない。社内でも、「この先の環境を見据えて対応してくれ」と言っている。
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