経営環境が厳しさを増すゼネコン各社が生き残りのために必要なものは何なのか。ゼネコン界の「重鎮」である大成建設の山内隆司会長に聞いた。
ゼネコンを取り巻く経営環境が厳しさを増している。
工事の大型化に伴って受注採算は低下し、都心部再開発案件や物流施設などでは受注競争が激化している。さらに、若者は建設業界を敬遠し、今後は少子高齢化を背景に、建設市場の新築工事が先細りする懸念もある。
スーパーゼネコン・大成建設の山内隆司会長は、建設業界を代表する業界団体である日本建設業連合会(日建連)の会長を2017年から2021年まで務め、今でも業界の「重鎮」としてその発言が業界に大きな影響を与える。
山内会長は「(ダーウィンの法則のように、経営規模が)大きいから生き残れるわけではない。建設業界も今後、環境の変化に適応しないと生き残れない」と話した。
「追い風」は2回しか吹かなかった
――国内建設市場では受注競争が一層厳しくなっています。
私が建設業界に従事してから50年以上経っているが、その間に、フォローの風が吹いて仕事が潤沢にあった時期は2回しかない。1回目は(1980年代後半の)バブルのとき、もう1回は(2015年から2019年ごろにかけて)東京五輪の特需に沸いたときだ。
それ以外の期間はずっと、建設業にとって冬の時代だった。過当競争がきつく、建設業界は低い利益水準にあえいできた。
足元の受注競争が厳しくなっているのは、業界が「元の状態に戻っただけ」とも言える。この厳しい時代にどうやって生き残るのか、業界全体で考えていかないといけない。社内でも、「この先の環境を見据えて対応してくれ」と言っている。
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