ホンダがソフトウェアを起点とした新たなビジネスモデルで、2030年に年間2000億円の利益を目指していることがわかった。車を売った後もサービスで継続的に稼げる体制へと転換を図るのが狙いだ。
「ソフトウェアで車の価値を上げていくことが(車の販売などのハードに)上乗せで必要になる」
ホンダの三部敏宏社長は4月12日に開いた四輪事業に関する電動化説明会で、新たなビジネスに意欲を示した。この日は2030年までにグローバルで30車種の電気自動車(EV)を展開し、EVの生産台数を年間200万台以上に引き上げる計画を示し、ソフトウェア領域とEVに今後10年で合わせて約5兆円を研究開発費として投じることも打ち出した。
ソフトウェア領域に関しては、4月20日に青山真二執行役専務が「(ソフトウェアなどを通じた)リカーリングビジネスで2030年頃に4桁億円の利益を稼ぐ」と発言。関係者によると社内には詳細なロードマップがあり、2027年までは同領域の事業は赤字の見込み。ただ、そこから一気に伸ばし3年後の2030年には2千億円程度の利益まで成長させる目標を掲げている模様だ。実現できれば年間の営業利益が8000億円(22年3月期見通し)のホンダにとって、大きな収益柱になる。
青山専務は「EVはガソリン車ほどハードウェア上での差別化が簡単ではない。だからこそソフトウェアアップデートなど、車の性能の冗長性、拡張性を用意しておくことが今後の競争領域になる」と狙いを語る。
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