ホンダがソニーとの提携に渇望する「本当の果実」 製造、調達、販売まで、すべてを再定義する好機

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今回の提携は、三部敏宏社長が掲げる「ホンダ第2の創業」に沿って同社が密かに進める、新しいビジネスモデルへの転換計画と符合する。

提携を主導した三部社長は就任以降、「第2の創業」の旗を振る(撮影:尾形文繁)

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自前主義にこだわってきたホンダが今、急激な変貌を遂げている――。そのことを改めて印象づける”提携発表”だ。

ホンダとソニーグループは3月4日、両社がモビリティ分野で戦略的な提携に向け協議を進めることで合意したと発表した。合弁会社の設立に向けて協議を進め、2022年中に新会社を発足させる(提携やソニーの戦略の詳細は3月9日配信記事:ソニーがホンダを「EVの相棒」に選んだ深い狙い)。

「創業の精神に立ち返り、ゼロからやり直すという覚悟を示しているように見える」。今回の提携について、ホンダ系部品メーカーの幹部はそう語る。EVの共同開発という点では、北米で密接な関係を築くアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)に続くケースとなる。

詳細な運営体制やスケジュールはいまだ見えない。だが今回の提携は、三部敏宏社長が掲げる「ホンダ第2の創業」に沿って同社が密かに検討を進める、新しいビジネスモデルへの転換計画と符合する。

ソフトウェアが車の価値に直結

ホンダ社内で昨年からしきりに議論されているのが、「リカーリングビジネス」と呼ばれる、継続的に利益を稼げる事業モデルの確立だ。

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