同じ不動産でも、ファンドとデベロッパーでは取得を目指す物件が異なる。彼らのビジネスモデルの違いを解説していく。
名前は聞くものの、実態が見えづらい不動産ファンド。彼らがどのようにして不動産に投資しているかを見ていこう。
不動産ファンドの仕事を単純化すればこうだ。投資家から資金を集めて物件に投資し、一定期間運用後に売却。投資家に利益を分配して投資を完結させる。取得時や売却時の成功報酬、運用手数料などがファンドの稼ぎだ。多くの物件を取得・運用し、あるいは高値で売却するほど報酬が増えていく。
まずは、原資となる資金を投資家から募ることから始まる。資金の出し手である投資家が注目するのは、どの地域の、どんな用途の物件に投資するかだ。例えば、アメリカのKKRが昨年1月に組成した「アジア不動産1号ファンド」は、アジア諸国の不動産を対象に、約1768億円を調達した。
資金の出し手は年金基金や政府系ファンド、保険会社、富裕層など。大口投資家に対しては、オーダーメイドで対応する場合もある。
4つの投資スタイル
地域や用途のほか、ファンドごとの投資スタンスも重要だ。下図を見てほしい。不動産ファンドには投資の目的によって4つの投資スタイルがある。
最も単純なのは「コア」と「コアプラス」。安定志向で、一等地で資産価値の高い物件を好む。売却益よりも手堅い賃料を重視する。
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