町人街として発展してきた経緯から土地の権利が無数に散らばり、再開発の遅れてきた八重洲。だがこの先数年で、街は様変わりしそうだ。

夢と消えた「ツインタワー」計画
東京23区の西側のフロンティアが渋谷なら、東側のフロンティアは「八重洲」だ。東京駅前という一等地にもかかわらず、駅を挟んで反対側の大手町や丸の内と比べて、八重洲は開発が進んでいなかった。
大手町や丸の内は三菱地所など特定の企業が土地を所有し、再開発を計画的に推進できた。一方八重洲は町人街として発展してきた経緯から土地の権利が無数に散らばり、再開発の合意形成が難航していた。
それを象徴するエピソードが、幻の「ツインタワー」開発計画だ。1998年、東京都中央区は八重洲などの再開発を議論する委員会を設置。そこで出てきたのが、2棟の超高層ビル開発案だ。
当時の資料によれば、北棟と南棟の延べ床面積は計90万平方メートル。2021年6月に東京駅北側で竣工した、三菱地所の38階建てビル「常盤橋タワー」(高さ212メートル)6棟分に当たる広さだ。
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