食文化の違いでわかる、もうひとつの両国の違いが、「秩序があり、我慢強い日本」と「なんでも混ぜて、せっかちな韓国」の違いである。
ご存じのように、和食は小さな鉢や皿に盛りつけられて少しずつ出てくる。 和食やフランス料理は次の食事が出てくるまでゆっくり話せるので、ビジネスの会合に向いていたりする。
また日本では、大きな器から取り分ける場合には「とり箸」を使い、相手に失礼のないようにとの配慮が強く働く。箸の使い方ひとつにも、韓国と比べ、人間関係の距離の違いが表れるのだ。 私は、この日本特有の何事も少しずつゆっくり秩序立った様子を「懐石精神」と呼んでいる。
これに対し、韓国料理は頼んでもいない大量の副菜が皿に盛られてテーブルを埋め尽くし、前菜や副菜やメインの順番は関係なく、いっきに全部出てくることが多い。そして人間関係が近いからか、大きなお皿や鍋を共につつく。
多くの食材を融合させる「ビビンバスピリット」
また、サムギョプサルやカルビもいっきに焼いて食べるので、食事が早く終わってしまう。おまけに自分のペースでダラダラ食べることはできず、アジュマ(おばさん)が出てきて ハサミで肉を切り(包丁ではなくハサミという点にも、韓国人のせっかちさがにじみ出ている)テキパキと焼いてくれるので、何かと食事のスピードが速いのだ。
なおこれは余談だが、両国でビジネスをしていても、日本企業は「メールでのやりとり」がメインだが、韓国企業は相手が大手機関投資家でも、担当者と携帯の「チャットでやりとり」することが多い。
メディアの取材を受けさせていただくときも、日本では複数人でやってきて丁寧にインタビューしたあとに、記事の原稿を見せてくれたうえで記事化する。
これに対し韓国では、記者さんが話を聴きながらその場で直接記事をタイピングしていることも多い(ちなみに韓国では、スピード違反の交通事故率も日本に比べてダントツ高い)。韓国人は何かとスピード重視なのだ。
また、韓国では「多くの食材を融合させて、新しい味をつくり出す」という食文化傾向が強い。なんでも混ぜておいしくしてしまう「ビビンバスピリット」というものもあるのだ。
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