世界の視点で見た、今の日本の特徴とはどういうものなのか? 何を知っていれば「国際感覚と教養あるグローバルビジネスパーソン」と言えるのか?
これに答えるのが、『最強の働き方」『一流の育て方』などのベストセラーでもよく知られる、ムーギー・キム氏。京都に生まれ、日韓両国の文化の中で育ち、フランス・香港・シンガポールで学び働きながらも、物心がついたときから40年にわたり、日韓関係について考えてきた。
そんななか、世界の視点で日本と韓国の特徴を論じた新著『京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた! そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。――文化・アイドル・政治・経済・歴史・美容の最新グローバル日韓教養書』が発売された。
本記事では、そのムーギー氏が日韓の接客文化の大きな違いから、「なぜ日本人は世界一『お客様に超へりくだる』のか」について解説する。
世界一お客様にへりくだる日本
海外から見た日本の特徴として、韓国と比べてよく見えてくるのが、「接客文化」の特徴である。
日本では多くの場合、「外国人観光客をもてなすことで、日本を好きになってもらおう」という、使命感にも似た丁寧なおもてなし文化が浸透している。
また、長く平和が続いた江戸時代に、商人が士農工商で格下に位置付けられたからか、サービス業の人には「お客様は神様文化」が浸透しており、お客さんをことのほか丁重にもてなす文化が根強い。
もちろん、実質的には武士以外の農工商は水平的な関係であったという説が有力だが、お客さんに対しては「世界一へりくだる文化」を日本が有しているのは、確かである。
ちなみに、儒教では商業を蔑むので経済発展は妨げられるし、仏教でも欲や消費を戒めるので経済は停滞する。思えば、朝鮮半島の国家は、経済発展には不毛な宗教や哲学を長らく信じてきてしまった。
これに対し、日本の江戸時代は商人が資本を蓄積したので、そのことも近代国家の成立を早めた要因のひとつであった。
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