日本では「仕事中の公的な自分」と、「プライベートの私的な自分」のダブルアイデンティティを持つのが一般的だが、韓国ではその境界線はやや曖昧だ。
よってコンビニのお兄さんも、会社の受付の方も、やたらと携帯で熱心に遊んでいたりするのだろう。
韓国では“食堂のおばちゃん”は「社長様」
接客文化における人間関係の近さは、韓国では日本のようにお客さんが圧倒的上位に位置付けられないことも意味する。
運転手さんのことを「キサニム」(運転手様)と丁寧な呼び方をするが、これは、あれほど礼儀正しい運転手さんに尊大に振る舞う人が結構いる日本とは対照的である。
韓国では食堂のおばちゃんも「サジャンニム」(社長様)と呼ぶし、サービス業でも店の年配者と顧客は、比較的対等な関係にある。
反面、韓国でもコールセンターの若い店員さんなどには、極めて横柄に振る舞う客も散見され、自動音声応答で「スタッフに実の家族のように接しましょう」と流されたりするくらいである。
客のお店に対する態度にも、「相手の年齢次第で態度を変える」という儒教文化が表れているのだろうか。
たまに日本のテレビ番組で韓国を「反日」と描く目的で、タクシーで乗車拒否をされたとか、入店拒否されたとかの体験談が特集される。
しかし、じつは韓国人もタクシー乗車拒否や入店拒否に頻繁に遭うことを鑑みれば、「別に日本人だから差別されたわけでもなんでもない」と納得いただけることだろう。
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