これは、「おもてなし文化」が浸透している日本とは対照的である。
日本では基本的に、お客さんを絶対的な上位に置いた関係性が求められるが、「おもてなし文化」に加え、「謙遜を美徳とする文化」が加わり、たとえば料亭などで床に膝つき、見上げながら接客し、腰を90度曲げながら「ありがとうございました」とお客さんを見送ることもある。
さすがにこれはやりすぎで、「『超"謝罪"大国・韓国』、日本と選挙で比較してみた」でも述べとおり、私は居心地が悪いから、お店を出たら全速力で走り去るほどである。
しかし、だからこそ、日本に来た韓国人の、日本への評価は「お店の人が親切で礼儀正しい」というものが圧倒的に多いのである。
「仕事」と「私事」を分ける日本、分けない韓国
日韓での接客文化の違いの最たる例は、タクシーの運転手さんにまつわるカルチャーの違いにあらわれる。
まず、東京のタクシーは一般的に、世界一礼儀正しく、パリッとネクタイを締めて、言葉遣いも丁寧だし、なにより、乗車拒否されることがほぼなく、乗ったあとも礼儀正しく接してくれる。
これに対し、ソウルのタクシーは、運転手さんの服装もカジュアルだし、ラジオはつけっぱなしなことも多く、またやたらと会話を求めてくることが多い。
これを書いている前日も、ソウルのタクシーで、運転手の趣味の世界の電車の切符コレクションの写真やら、自宅のリビングの壮大なミニカーコレクションの写真やらを見せられたところである。
また、韓国では、運転中にかかってきた携帯電話に向かって悪態をついて怒鳴っている運転手さんも結構いる。そして自分はスピードを出しまくるくせに、ちょっと乱暴な運転をしている車があると、「シッパル!(くそ野郎!)」などと口ぎたなく罵る運転手さんが、結構いらっしゃるのだ。
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