小学英語、「しらける形式的会話」強制丸暗記の罪 子どもが英語をつまらないと思うのも当然
小学校では表現の丸暗記が中心
近年、学校の英語教育はコミュニケーション重視に変わり、文法を教える割合がかなり削られてしまっています。文法の学習を減らし、会話表現を中心に学ぶという傾向は中学・高校でも強まっているほどですから、小学校の英語教育で文法に触れることはほぼありません。
すると、どうなるか。「じゃあ、表現をとにかく覚えちゃおう」ということになり、文章や表現を声に出して復唱させ、そのまま丸暗記させざるを得なくなるのです。
このように、表現の意味・使われる意義・理屈などを説明せずに、ただ丸暗記する「文法軽視」の風潮に、私は不安を覚えています。文法は英語を使ううえでのルールであり便利なツールですから、それを覚えずに英語を修得することは無謀ですし、結局、遠回りになってしまうからです。
そして、英語に特別な興味のない子どもにとって、丸暗記は苦行です。「英語の授業がつまらない、意味がわからない」イコール「英語が嫌い」となってしまいかねません。
もちろん、学校の英語教育がフィットして「英語の授業が楽しい」という子も中にはいるでしょう。ですが、「学校の勉強が好き」「数学の授業が楽しい」という子がほんのひと握りであるように、学校の「科目としての英語」を好きになる子どもはそうは多くありません。
とはいえ、ただ憂いていても仕方ありませんので、この現状を受け止め、どう対策すればいいかを考えていきましょう。
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