小学英語、「しらける形式的会話」強制丸暗記の罪 子どもが英語をつまらないと思うのも当然

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子ども向けってそんなものでしょう、と思うかもしれませんが、小学校高学年はそこまで子どもではありませんし、何より子ども扱いされることを嫌う年頃です。内容が幼かったり簡単すぎたり、表面的で形式的な会話ばかりでは、しらけてしまうし興味が持てません。

また、思春期に差し掛かり、ペアワークなどで家族や自分のことを話すのに抵抗を持つ子も増えてきます。「人前で話すのが楽しい」というような積極的な子以外は、なかなか活躍しづらいでしょう。

中学校以降は読み・書き中心になる

2つ目は、中学校での「英語」科目との落差についてです。

中学校からは、やはり読み・書き中心の授業やテストになります。小学校では元気に会話ができたことを評価されていた子どもが、中学生になるとそれだけでは評価されなくなる。その落差に戸惑ってしまう子が多いようです。

会話というものは、たとえ文法がめちゃくちゃでも、身振り手振りを交えてなんとなく伝わってしまいますが、筆記となるとそうはいきません。
もはや違う科目というのは言い過ぎですが、野球でいえば、軟式と硬式くらいの違いがあるのではないでしょうか。

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中学校に上がって急にスペルや文法などの精密性を求められ、テストで点が取れなくなってしまった子どもは、英語に苦手意識が芽生えてしまいがちです。

こういった点を踏まえて、家庭でしてほしいサポートは、やはり、小学校のうちに最低限のスペルや文法知識をきちんと身につけさせてあげることです。

せっかくのやる気を削がないためには、英語の教材との相性が大事。教科書のゆるいカリキュラムにも対応しつつ、文法事項も解説する参考書を探してみてください。内容も、変に子ども扱いせずに実践的な表現や自然な和訳、ネイティブがよく使う表現などを教えてくれるものがベストです。

子どもたちの知識欲や知的好奇心を満たしてあげつつ、基本的な文法知識を身につけられれば、一気に理解が進み、学習がスムーズになると思います。

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