小学英語、「しらける形式的会話」強制丸暗記の罪 子どもが英語をつまらないと思うのも当然

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ゲームが好きでe-sportsの選手になりたいという夢があるならやはり海外での試合で英語が必要になることもありますし、マンガが好きなら海外にも同じく日本のマンガ好きの仲間がたくさんいますので、英語を学べば彼らと交流することもできます。

そういったことを、いいタイミングでさり気なく教えてあげるのは、いつもそばにいる親にしかできないことです。

ただし、親からの押しつけになってしまうことは絶対に避けたいところ。
親の「英語をやらせたい」という魂胆が透けて見えると、子どもは反発しますし、無理にやらせても逆効果です。

実際、私が教える高校生の中で「英語が嫌いだった」という子たちの多くが、幼いころから英語の早期教育を受けてきた子ばかり。一度嫌いになったものを好きにさせるのは至難の業です。

親が勉強する姿を見せることも有効

たとえば、ピアノに例えるとわかりやすいかもしれません。小さい頃にピアノを習わせても、本人が興味を持たなければスムーズに上達しませんし、長続きしません。結局、数年ほど習ったところで「少し心残りではあるけれど、まあ将来ピアニストになるわけじゃないから……」と見切りをつけた経験のある人も少なくないでしょう。

英語もこれと同じです。

英語に興味が湧いたり必要に迫られたりすれば自然と学ぶでしょうし、興味が湧かないのであれば無理にやらせても学習効率が悪すぎるのです。「とにかく英語を」と躍起になるのではなく、子どもの興味が向いたタイミングで親がさり気なくサポートしてあげるくらいのスタンスがいいでしょう。お子さんの適性を見極めつつ、最良の道を探ってあげてください。

また、親が勉強している姿を見せることで、お子さんの興味に火がつくこともあります。大人の学び直しに興味がある方なら、お子さんの学習時間を共に学ぶ時間にしてみてはいかがでしょう。

親子ともに楽しく英語を学んでくれることは、英語講師の私としても嬉しいこと。ぜひ、できることからチャレンジしてみてください。

関 正生 英語講師・語学書作家

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せき まさお / Masao Seki

1975年東京生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。TOEICテスト990点満点取得。オンライン予備校「スタディサプリ」で、毎年、全国の小中高生・大学受験生90万人以上に講義を、また、大学生・社会人にTOEICテスト対策の講義を行っている。九州大学・明治学院大学、企業での講演も多数。著書に『大学入学共通テスト 英語が1冊でしっかりわかる本』など。

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