「トップガン」が著作権侵害で訴えられた納得理由 根拠に基づいた著作権保持者の事前通知を無視

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公開予定が当初の2019年7月から遅れたことが誤算となった(C)2022 Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.

公開2週目にして全世界興収700億円超え。トム・クルーズは個人記録を達成し、アメリカの観客の評価はA+と最高レベル。

そんないいことずくめの『トップガン マーヴェリック』に、初めて悪いニュースが飛び込んできた。オリジナルの『トップガン』の原作となった雑誌記事の著者の遺族が、製作配給のパラマウント・ピクチャーズを著作権侵害で訴えたのである。

その事実だけ聞くと、映画が爆発的にヒットしたのを見て、急に欲が出たのだろうと思われるかもしれない。映画にしろ、音楽にしろ、何かが成功すると、「それは自分の作品の真似だ」と誰かが訴え出てくるという例は、過去にも何度もあった。だが、今回の場合は、もっと複雑なのである。

映画化権は1983年5月に取得

エフド・ヨナイが書いた米海軍のエリートパイロットらについての記事『Top Guns』が『California』誌に掲載されたのは、1983年4月21日のこと。この雑誌は決して有名ではなかったものの、パイロットたちの人物像や私生活に迫り、飛ぶことをロマンチックに描いたヨナイの文章は、読んだ人の想像力を刺激した。

とりわけスポットライトが当てられたのは、ヨギとポッサムと呼ばれるふたりの男たちの関係。これは映画になると見たパラマウントは、記事が出て間もない同年5月18日に早々と映画化権を取得した。ヨナイがこの記事の著作権登録をしたのは、そのおよそ半年後の同年10月3日だ。

映画は1986年に公開され、世界中で大成功を収めた。だが、トム・クルーズ、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマー、監督のトニー・スコットは、みんな超売れっ子になってしまい、いろいろなプロジェクトで忙しく、続編の話はなかなか進まなかった。

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