「奨学金570万円」の33歳女性、住宅ローンに暗雲 「奨学金は俺が払う」と宣言した夫は家を出た

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「『奨学金は借金ではない』というのが母の考え方です。それは『奨学金は未来への投資』……とかではなくて、『奨学金は最悪返さなくていいものだ』という考えがあるから。

『教師になれば返済免除になる制度があるから教職の授業を取りなさい』と言われたこともありましたし、『結婚して名前を変え、姿をくらませばきっとわからないだろう』という考えも持っていました」

確かに日本育英会時代には、教職や研究職に就いた場合、奨学金の返済が免除される規定があった。だが、2004年の日本学生支援機構の設立に伴い、それらの制度はすべて廃止されている。小柳さんが大学生になった時にはすでに廃止されて数年経過していたが、母親は知らなかったようだ。

また、結婚して苗字が変われば支払いから逃れられる……などということも当然ない。

恋人、「奨学金は自分が返す」と宣言も…

そんな小柳さんの母親に対して、恋人は「僕が彼女の奨学金を返すから、お嬢さんをください」と宣言。無事に結婚し、子どもも誕生し、小柳さんは勤めていた会社を退職する。

しかし、状況は誰にも予測できずに大きく変わるもの。子どもが産まれたことで、彼の心境は大きく変化する。

「結婚前に勤めていた会社は、いつも帰宅が終電ギリギリの仕事だったので、子どもを育てられないと感じて退職しました。

そしたら、そのタイミングで夫が以前からなりたかった公務員の仕事に転職することに。結果的に年収が150万円近くダウン。家計が回らなくなってしまいました。

そんな状況なのに、今度は夫が『家を買おう』と言い出します。『賃貸に住むことは、金をドブに捨てているのと同じだ』というのが彼の主張なのですが、公務員になったのでローンが通ってしまったんですよ」

「家は資産になる」という理由で総額3600万円の新築物件を購入。2500万円ほどの中古物件も候補に挙げたものの、こだわりのある小柳さんの夫の眼中になかったようだ。

「『35年ローンを組むなら、30歳までに家を買わないと退職金に手をつけないといけない』と言われましたが、支払い能力があるのは夫だけ。こうなってくると、私の奨学金に対する彼の捉え方も変わったようで『お前の奨学金の返済は相当負担だ』と責められるようになっていったんです。

どうがんばっても毎月1〜2万円ほど赤字になってしまうので、『定時に帰宅しないで、1〜2時間でいいから残業してほしい』と懇願したこともありました。でも夫は『残業は仕事ができない人がすることであって、俺は仕事ができるからやらない! そもそも、残業したら子どもとの時間を作るために転職した意味がない』とキレられて……。

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