親1万人の悩みを聞いて考えた「子育て5つの視点」 あれこれ正解を探して焦るより必要なこと

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視点とは、具体的なマニュアルではなく、見方・考え方のことです。この5つの視点があれば、行動がしやすいと思います。後は、この視点に基づき、お子さんにあった形で実践してみてください。

「子育て5つの視点」

(1)子育てに正解はなく、試行錯誤の連続

子育てに絶対的な正解はありません。もし、どのような子どもにも通用する正解があるなら、それを実践した家庭の子どもは誰でも必ず変わるはずです。

現実は、「その子に合ったアプローチがある」だけです。しかも、そのアプローチは実践してみないと合うかどうかわかりません。

ですから、子育ては「〜しなければならない」ということはなく、「その子に合ったアプローチを試してみる」という試行錯誤の連続になります。

もし、「〜しなければならない」「〜してはならない」という考えが頭の中を支配しているとしたら、存在しない「絶対解」を探している可能性があります。

(2) 行動を変える前に、心を観る

「子どもが言うことを聞かない」「親の思い通りにならない」という場面は日常ではよくあります。そのとき、子どもの行動を変えさせようとしても、まったく変わらなかったという経験はないでしょうか。心が動かないと行動は変わらないことがあるからです。

「なぜ言うことを聞かないのだろうか?」「なぜ、子どもは〇〇をやりたがるのだろうか?」と、そのときの子どもの心の状態に意識をフォーカスすることで、共感できるようになります。すると、共感から言葉がけやアプローチが変わり、やがて子どもの行動が変わるサイクルが回り出します。

見た目の行動そのものを変えるよりも、「行動したくなるにはどうすればいいだろうか?」と子どもの心の状態にフォーカスしてみてください。

(3) 親が変わることで、子どもが変わる

「自分から変わらないと相手は変わらない」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「鏡の法則」とも言われますが、特に、親子では年齢差があり、経験量、知識量が圧倒的に違います。すると立場的に強い側の人から変わらないと、相手は変わることができません。

親がこれまでと同じ対応をしていれば、子どもの反応も変わりません。もし、子どもに変わってもらいたいと思うのであれば、まず自分のアプローチを変えていく必要があります。

例えば、子どもが片付けをしないからと、「片付けなさい」と言い続けているものの、状況が一向に変わらないとします。いつかは変わると思ってさらに言い続けても、変わらないことがほとんどです。

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