セレンディピティ感度の高い人は世界をこう見る 「ウェーターからCEOまで」成功者が持つ視点
私たちの研究では、ロンドンのウェーターやヨーロッパの画家、アメリカのフォーチュン500企業のCEOにまで同じようなパターンが確認されている。
自分たちに足りないリソースにばかり目を向けるのをやめ、個人の能力を引き出し、尊厳を感じさせるように努めれば、これまでただ援助を求めるだけだった人や予算ばかり気にしていた従業員が発奮し、自ら幸運をつくり出すようになるかもしれない。
リフレーミング(枠組みの転換)によって、私たちは実現可能な出来事や状況を思い浮かべることができるようになる。そして自分にはそれに向けて行動する力がある、トリガーを発見して点と点をつなぐ力があると考えるようになる。
それがセレンディピティを生み出すのに役立つのだ。
ここでカギを握るのは、思考や行動の変化だ。チャンスがはっきりと姿を現してくれるのをただ待つのをやめ、自分の心をオープンにして、既存のテンプレートや枠組みから解き放てば、機会は身のまわりにあふれていることに気づくはずだ。
危機と見るか、機会と見るか
構造や制約を当たり前のものとして受け入れるのをやめたとき、私たちは世界をそれまでとはまったく違う目で見るようになる。ほかの人々には断崖しか見えないところに、橋が見えてくる。
どうすれば日々の生活のなかで、それを実践できるようになるだろう。
そのプロセスは通常、行動をわずかに変えるところから始まる。たとえば、あらゆる状況を問題としてではなく、学習の機会としてとらえるといったことだ。
私を含めてたいていの人はこれまでの人生で、発生当時は危機だと思ったが、それが今の自分の支柱になっているという状況を経験したことがあるだろう。その状況を否定的な足かせととらえるか、それをテコに何ができるかという可能性に注目するか、試されていたのだ。
例えば自動車事故に遭ったとき、単に不運な出来事ととらえれば、それだけで終わってしまう。単なる不運な出来事だ。自分が判断を誤ったと考えれば、それは永遠に判断ミスのままだ。
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