セレンディピティに気づく人と気づかない人の差 やたら計画を立てたがる人が好機を逃し易い訳
人生において重要な転機となるようなチャンスが、他の人よりも頻繁に巡って来るように見える人と、そうでない人はどこが違うのか。
その秘密を解き明かし、幸運なサプライズの頻度を増やし、それを良い結果につなげるフレームワークをまとめた本『セレンディピティ: 点をつなぐ力』がついに刊行された。
経済学分野で世界トップクラスのロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で博士号を取得し、起業家としても活躍する著者が書いた同書から、セレンディピティとは何かについて、抜粋・編集してお届けしよう。
未来を計画したいという人間の願望
誰もが、自分の運命を決めるのは自分だと思いたがっている。
未来をコントロールしたい、胸に抱く目標や野心を遂げる方法を知りたいと願っている。要するに、人は計画を立てたいのだ。
この「未来を緻密に計画したい」という、人間が生まれ持ったような願望は、現代社会のあらゆる側面に表れている。
組織も政府も個人も、自らの立てた計画、戦略、目的に沿って動いている。目覚まし時計を設定するといったレベルから国政選挙の方法に至るまで、ルーチン、ルール、プロセスを定め、すべてを計画どおりに遂行しようとする。
だが、私たちは本当に人生をコントロールできているだろうか。どれだけ計画を立て、モデルや戦略をつくったとしても、そこにはつねに「予想外」という別の要素が絡んでくる。
予想もしていなかった出来事、偶然の出会い、一見奇妙な巡り合わせといったものは、人生における余興や雑音などではない。むしろ予想外は決定的要因として、私たちの人生と未来に大きな違いを生じさせることも多い。
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